浮世絵「名所江戸百景」の場所を探してカメラ片手にぶらぶらと。描かれた名所は現在どうなっているのか、なるべく同じアングルで写真を撮っています。さらに、時代小説の舞台やおいしい店を求めて寄り道も。今回は京橋・銀座周辺のさんぽその3です。
京橋・銀座で名所江戸百景の風景をさがす
浮世絵|名所江戸百景 びくにはし雪中
冬の部 通し番号115
(二代目広重作。現在の銀座一丁目 西銀座ランプ付近)
雪の夜、それでも通りを点々と歩く人々と屋台の様子が描かれています。左に大きく描かれた「山くじら」は猪肉の鍋の屋台、右側にある「〇やき 十三里」というのは焼きいも、橋にさしかかるのは屋台をかついだ商売人です。
中央に描かれる比丘尼橋(びくにはし)は、外堀から流れ出る京橋川の最初の橋でした。ここからひとつ下流が中ノ橋、その下流にかかるのが京橋です。中ノ橋と京橋の間は大根河岸とよばれ、青物市場がありました。
「山くじら」で思いだすのは、宇江佐真理の小説「室の梅」です。おろく医者と呼ばれた現在で言うと検視をする医者と、産婆をしている妻の話です。そのひとつに、山くじらの屋台がでてくるお話があります。
精がつくと山くじらやへ通っていた主人公ですが、周りにはあまり好まれるものではなかったようで、特に妻からは嫌がられる様子が描かれています。屋台の主人が食欲のない息子にこれなら食べるからと生肉を与えていることに懸念をおぼえながらも、救えなかった医者としての後悔が描かれて印象的でした。
びくにはし(西銀座ランプ付近)の現在
比丘尼橋のかかっていた場所に現在あるのは東京高速道路の高架橋で、この先は銀座、有楽町。八重洲からここまでの少し静かな雰囲気とは一変して、とても賑やかになります。
比丘尼橋の名は残っていませんが、大根河岸の名は京橋大根河岸通りとして残っています。大根河岸の碑が京橋側の通りの入口に建てられています。写真を撮ったのは京橋大根河岸通りを外堀通りに出たところで、南の銀座方面を向いて撮影しています。
名所江戸百景全119枚の図絵 ウィキペディア 名所江戸百景
参考 「江戸切絵図で歩く広重の大江戸名所百景散歩」 人文社
京橋・銀座で行きたいsocoココ
アンテナショップめぐり
比丘尼橋のあった場所から南は銀座・有楽町、いろいろなお店でにぎわう街です。そのなかでも各地のアンテナショップが出店しているのをご存じでしょうか。有楽町の東京交通会館のなかには、北海道や秋田など数々の地域のアンテナショップ、そのほか銀座にもこんなアンテナショップがあります。
- 沖縄のアンテナショップ「銀座わしたショップ」
東京交通会館を出たら銀座インズを通過して有楽橋交差点を渡った角にあります。有名なお土産紅いもタルトはもちろん、沖縄そばや中身汁など名産品が沢山です。入口の沖縄らしさもまたナイス。 - 山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」
わしたショップを出たらそのまま中央通りのほうへ3~4分。ギンザファーストファイブビルの1Fにあります。名物芋煮や、漬物、スイーツ、季節には山菜なども並びます。
東京交通会館 : 東京都千代田区有楽町2丁目10−1
沖縄産品 銀座・わしたショップ : 東京都中央区銀座1丁目3−9 マルイト銀座ビル
おいしい山形プラザ : 東京都中央区銀座一丁目5-10 ギンザファーストファイブビル1F・2F
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